記憶の匂い

閉じ切った部屋には懐かしい匂いが蔓延していた。
御年九十二歳になる祖父が入院することになったので、祖父が一人暮らしをしていた家へ片付けに行った。
祖父の足の怪我が化膿していたのが発覚して、手術をする為に病院で診察を受けた時に認知症が進行していたのが分かり、足の治療を終えた祖父は介護を受けられる病院に入院することになった。 祖父がこの団地に戻ることはもう二度とない。

祖父の所に最後に遊びに行ったのはいつだっただろうか。 小学生の時は学校の長期休みにはいつも遊びに行った。その頃は父も祖母も生きていて、祖母と同じ布団で一緒に寝た。遊びに行くといつも本を買ってくれた。おかげで私は読書が大好きになった。 祖父の家ではいつも仕事で忙しい父が遊んでくれるのが嬉しかった。 祖父が作ってくれる牛すじ煮込みと半熟のゆで卵が大好きだった。

家族みんなで過ごせる祖父の家が私は大好きだった。

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