時間薬と魔法の料理

聴いてすぐ、BUMP OF CHICKENが心の拠り所となった。

45分間の長い通学時間、ずっと聴いていた。コンテンツに生かされているという自覚もこの時に初めて気付いたと思う。音楽プレイヤーを忘れた時は遅刻してでも家に取りに戻った。それくらい、バンプの作る音楽がないと学校へいけなかった。

2010年の4月、BUMP OF CHICKENが「魔法の料理~君から君へ~」をリリースした。私は18歳になっていた。

いつか全部わかる ずっと先の事
疑いたいのも分かる
君だから分かる
メソメソすんなって

情けないことに、10代はやり切れないことばかりで毎夜布団の中で泣いている子どもだった。そんな私に、この曲は誰よりも一番優しく響いた。

君の願いはちゃんと叶うよ
大人になった君が言う
言えないから連れてきた思いは
育てないままで唄になる

出来ないことばかりで、亡くしたものは帰ってこない、間違いと失敗ばかり繰り返す、誰にも言えない秘密をどう扱えばいいかも分からなかった。吃音症を抱えて生きて行く孤独や不安を、乗り越えられなかった。

いつか、私にも時間薬が効いてすべてが分かるのだろうか。父の死を乗り越えられるのだろうか。吃音症でも生きていける術が見つかるのだろうか。

私が問題抱えて大人になって、それで夢が叶うかもしれないのなら。

何件もアルバイトで上手くいかず辞めたりを繰り返していたが、それすらも夢になるのなら。

現実を忘れて夢を見れた気がした。

小説家になりたいと思い始めた頃、BUMP OF CHICKEN を繰り返し聴いていた通学路。

そこで植えられていたソメイヨシノの青々とした葉がやけに綺麗に見えて、風に力強く揺られていた景色を私は忘れたことがない。

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