ファントム

春の匂いがした。この匂いの正体は「死」だということは知っている。誰かが生まれたら誰かは死なないといけない。そうではないと整わない。

白い服が着たい。白い花を見たい。桜の淡いピンク色が咲き誇る並木道を自転車で駆けて、在りし日の故郷を偲びたい。帰れる場所がなくなってからが始まりなのだと思いこんでいる。そう思わなければ、足元がぐらついて真っすぐ歩けない。私はそこまで強くない。

海を見た。青い海だった。青かった、綺麗だった、音がした。それらの当たり前が愛おしくて泣いてしまった。僕の隣にいる君は泣いていない。

この言葉の根底に君への愛がありますように。答えが分かるのは数年後。

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