深海

命あるものは例外なく死ぬ。深海は生きているが、限りなく「死」に近いところで生きていると思う。

深海は生涯を光速や音速で駆け抜けたら星になれると言っていた。

私は美しく透明な深海が星になっていく姿を想像した。

艶やかな髪が日差しを反射させ、ゆっくりと宇宙へ還っていく姿はきっと、フランス映画のように優雅で繊細な美しい絵になるだろう。

スプラッタ映画で無惨に死に逝くヒロインの姿に深海を重ね合わせたりもした。スプラッタのように白く華奢な首が折れて、真っ赤な血液が弾け飛ぶ深海の姿もなかなか悪くない。

様々な死に際を想像しても、私は深海のように死ねないことだけは何となく分かった。

私は、私より可愛くて可哀想な深海が羨ましくて憎らしくて、同じように希死念慮で苦しんでいることが嬉しかった。

画像に落とし込まれた繊細な深海という美少女はきっと、私より早く死ぬ。

神様は美しいものが好きだから、若く美しい深海を手元に置いておきたいに決まっている。

  深海が死んだら私も死のうと思う。

早く死んでくれる日を心待ちにしていたのに、深海は死ななかった。

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