恋が彼等を連れ去った

「この人の詩集、好きなんだよね」 そう言って、彼女は私に一冊の詩集を差し出した。私は彼女が、学校では絶対話さないであろう秘密を許されたのが何だかこそばゆくて、照れながら作者の名前を指で撫でた。 「銀色夏生? 初めて読む」